エックスサーバー株式会社は新たにシン・VPSをリリースしました。
これでエックスサーバー株式会社はXserver VPSとシン・VPSと2つのLinux系VPSを展開していることになります。
そこで出てくる悩み…。「どっちのVPSが良いの?」というもの。
じつはXserver VPSとシン・VPSは明確に違いがあります。
この記事では下記について比較をしています。
- プラン
- 契約期間・価格
- テンプレート
- サポ―ト
- 性能比較
取り急ぎ簡単に選び方について説明しておきます。
こんな場合はシン・VPS
- 少人数でゲームを楽しむ
- 中規模・大規模なSNS運営・開発環境
- FX自動売買のMT4の約定スピードにこだわりたい
こんな場合はXserver VPS
- 中・大人数でゲームを楽しむ
- 小規模なSNS運営・開発環境
- ディスク性能よりもCPUメモリ性能を重視したい
それでは詳しく説明していきます。最後までご覧になって下さい。
シン・VPSとXserver VPSを比較
この章ではXserver VPSとシン・VPSの以下5パターンを比較していきます。
- プラン
- 契約期間・価格
- テンプレート数
- サポ―ト
- 性能比較
プラン(CPU/メモリ/ディスク容量)
まずは、各サービスのプランとディスク容量を比較。
サービス名 | シン・VPS | Xserver VPS |
プランの数 | 7プラン | 6プラン |
最低プラン | 512MB | 2GB |
最高プラン | 32GB | 64GB |
ディスク容量(最低容量) | 30GB | 50GB |
ディスク容量(最高容量) | 1.6TB(1,600GB) | 100GB |
大きな特徴はシン・VPSのディスク容量にあります。
シン・VPSでは、最大プランとなる32GBををけいやくするとディスク容量が1.6TB(1,600GB)にもなります。
また最低プランとなる512MBはシン・VPSにしかありません。とは言え、512MBではPythonやNode.jsなどおひとりで勉強する程度などの利用に留めた方が良いでしょう。
ゲームサーバーやFXの運用には最低プランの512MBは役不足です。
MisskeyやMastodonなどは大規模な運用になるとディスク容量を多く消費するため、シン・VPSはかなり魅力的です。
逆にゲームサーバーの運用の場合はディスク容量よりもCPU/メモリ性能がモノを言うのでXserver VPSの性能を引き継いでいるXserver for Gameを選びましょう。
Xserver for GameはXserver VPS性能は引き継いでいてゲームサーバー用途としてカスタマイズされています。
プランを比較してみました。
※シンはシン・VPS、XserverはXserver VPSを表しています。
シン | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | ー |
Xserver | ー | ー | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB |
CPU/メモリ/ディスク容量を比較してみました。
※シンはシン・VPS、XserverはXserver VPSを表しています。
512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB | |
シン | 30GB/SSD | 100GB | 150GB | 200GB | 400GB | 800GB | 1,600GB | ー |
1個/CPU | 2個 | 3個 | 4個 | 6個 | 8個 | 12個 | ー | |
512MB/メモリ | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | ー | |
Xserver | ー | ー | 50GB | 100GB | 100GB | 100GB | 100GB | 100GB |
ー | ー | 3個 | 4個 | 6個 | 8個 | 12個 | 24個 | |
ー | ー | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB |
青色で塗りつぶしている部分はCPU/メモリ性能はXserver VPSとシン・VPSで同じです。ただし、SSD(ディスク)容量は圧倒的にシン・VPSが有利。
塗りつぶし部分の範囲のプランを選ぶ場合、ディスク容量で選びましょう。
データベースの構築やデータ保存を多く必要とするMisskeyやMasotodonなどで中規模・大規模運営を考えているならシン・VPS、小規模程度ならXserver VPSというような選び方をすればOKです。
なお、Xserver VPSやシン・VPSはディスク容量を増やせるオプションがあります。
※シンはシン・VPS、XserverはXserver VPSを表しています。
容量 | 料金 | |
シン | 100GB | 1,100円 |
Xserver | 200GB | 2,750円 |
Xserver VPSは、200GBで2,750円なので、100GB換算でも1,375円となり割高。ディスク容量重視ならシン・VPSを選べば失敗することはありません。
契約期間・月額料金
契約期間についてはXserver VPSとシン・VPSで同じです。
- 1ヵ月
- 12ヵ月
- 24ヵ月
- 36ヶ月
ただし最低利用期間が異なります。
- Xserver VPSは1ヵ月
- シン・VPSは3ヵ月
シン・VPSは1ヵ月契約は可能ですが、3ヵ月間は最低でも利用する必要があります。
長い期間使うことを想定している場合最低利用期間は気になりませんが、「1ヵ月だけ、2ヵ月だけで良い」という場合はXserver VPSを選べばコストを抑えて使うことができます。
月額料金を比較してみます。両サービスはキャンペーン中で下表よりも割安になっていますが、比較のため素の状態の価格(36ヶ月契約の場合の料金)で比較をしています。
※シンはシン・VPS、XserverはXserver VPSを表しています。
512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB | |
シン | 620円 | 820円 | 1,530円 | 3,091円 | 6,000円 | 12,001円 | 24,000円 | ー |
Xserver | ー | ー | 830円 | 1,700円 | 3,201円 | 7,200円 | 18,500円 | 38,000円 |
価格はXserver VPSが格安です。
シン・VPSが高い理由、Xserver VPSが格安な理由はディスク容量の違いにあります。
CPUやメモリと違いディスク容量は物理的に設備を増やす必要があるためどうしてもコストがかかります。
CPUやメモリは仮想的に増やすことができるためコストが安く抑えられます。
保存重視に考えたときはシン・VPS、処理性能重視に考えたときはXserver VPSを選べば間違いはないはずです。
テンプレート数で比較
VPSにはテンプレートというものが用意されています。
テンプレートとは完成品と言い換えることができ、例えばUbuntuならUbuntuの基本設定が完成している状態となります。
ほかにも、、、
- マイクラのマルチサーバー
- Misskey/Mastodonの基本設定
など、本来なら自分でOSをインストールし、プログラムをインストールという複雑で初心者には少し複雑な作業がテンプレートというものでカバーされているというわけです。
そしてこのテンプレート内容や数はシン・VPSと、Xserver VPSでまったく同じです。
Xserver VPSの場合ゲームテンプレートはXserver for Gameにて別途用意されています。
ちなみに2023年11月現在でOSイメージは9種類、アプリイメージは53種類となっています。
サポートを比較
サポートを表で比較してみました。
シン・VPS | Xserver VPS | |
電話 | 有り | 有り |
メール | 有り | 有り |
チャット | なし | 有り |
サポートの違いはチャットの有無です。
メールや電話でもサポートは十分です。チャット(平日10時~18時まで)は夜中には対応していないのであまり気にする部分ではないでしょう。
「どうしても」チャットでサポートを迅速に受けたいのであれば、Xserver VPS一択。
シン・VPSとXserver VPS【選ぶ基準は?】
シン・VPSとXserver VPSのどちらを選ぶのが最良なのか。
ディスク容量、契約期間、月額料金を基本に選べばOKです。
- Misskey/Mastodonなどデータベースやデータ保存を多く使うサービスを構築したいならディスク容量が多いシン・VPS
- 1ヵ月、2ヵ月ほど短期集中して使うのであればXserver VPS
- 月額料金を抑えたいならXserver VPS
開発環境をいくつも保存したい、ゲームサーバーをいくつも切り替える場合は、シン・VPSが良いですね。
とにかくデータを保存に特化したいならシン・VPSです。
FXの利用を考えている場合
なお、FX利用を考えているならさらにLinuxで運用をするか、Windowsで運用をするかも考慮する必要があります。
シン・VPSやXserver VPSはLinuxがベースですがMT4を動かすことは可能。これは下記の記事で構築方法を徹底的に説明していますので、Linux初心者でも立てることができます。
約定スピードアップやコストを抑えることができるメリットがある反面、MQL5や通知機能が使えないデメリットがあります。
MQL5を使いたい場合、WindowsでMT4を運用したい場合はFXに特化したシン・クラウドデスクトップ for FXというVPSがあります。
-
シン・クラウドデスクトップ for FXでMT4を設定する方法【FX自動売買専用VPS】
続きを見る
シン・クラウドデスクトップ for FXもエックスサーバー株式会社が提供しているサービスですので、性能は間違いなしです。利用者も増えてきています。
まとめると、、、
- MQL5は使ってない、コストをとにかく抑えて約定スピードのアップも期待するならシン・VPSやXserver VPS
- MQL5は使っている、Windows VPSを使ってMT4を運用したいならシン・クラウドデスクトップ for FX
シン・VPSとXserver VPSを比較:選ぶポイントはディスク!
Xserver VPSとシン・VPSではCPU/メモリ性能は同じです。では、どこで差別化がされているか。
それはディスク容量。
- Xserver VPSは、ディスク用量が抑えられている分格安。
- シン・VPSは、ディスク容量が豊富に用意されている分Xserver VPSよりもコスト高。
ディスク容量が多ければVPSのバックアップをしておくことが可能。
例えば、ゲームサーバーをいくつも運用する場合はVPS自体をバックアップしておくことでワンクリックでゲームサーバーを入れ替えることができます。
これはディスク容量がものを言います。
安全なVPS運用に自信がない場合はシン・VPSのディスク容量を活かしてバックアップを日ごろから取っておけばいざというときも安心ですね。
逆にVPS運用に自信がある場合はXserver VPSやXserver for Gameでコストを抑えた運用が実現できます。
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